AI検索で自社と競合を比べるときは、「自社が表示されたか」だけで判断してはいけません。どの根拠URLが使われ、どの競合と並べられ、料金や特徴が正しく説明されているかまで確認することが大切です。
「Googleでは表示されたのに、ChatGPT SearchやPerplexity AIでは見つからない」「古い料金を紹介されている」「想定していない競合と比較されている」など、気になることはありませんか。AI検索は、Google AI Overviews/AI Mode、Microsoft Copilot、Anthropic Claudeなど、サービスによって参照する情報や回答の見せ方が異なります。この記事では、「おすすめ」「料金」「デメリット」「向いている人」「代替候補」といった検索を使い、競合の見つけ方から表示内容の記録、公式情報の点検、改善後の再確認までを順番に解説します。信頼性・専門性・情報の明確さという共通の視点で、明日からできる比較方法を整理していきましょう。
AI検索で自社が競合より不利に見えるのはなぜか

AI検索で自社が競合より不利に見えるのはなぜか - 本文
結論からいうと、AI検索で自社が競合より不利に見える理由は、表示の有無だけでなく、引用される情報と比較される文脈に差があるからです。 自社名が回答に出ても、古い料金や誤った特徴が紹介されていれば、顧客にはマイナスに伝わります。反対に、検索結果で目立たなくても、信頼できる公式ページが根拠として引用され、正確に説明されていれば、選ばれるきっかけになります。
「おすすめ」と聞かれたとき、自社だけ出てこない
たとえば、見込み客がAIに「東京都で採用管理システムを導入するなら、どこがおすすめですか」と尋ねたとします。Google検索では自社サイトが上位に表示されているのに、ChatGPT SearchやPerplexity AIの回答には競合3社だけが登場する。そんなことが起こりえます。
さらに、「料金が安い順に比較して」「中小企業に向いているサービスは」「このサービスのデメリットは」と質問された場合も注意が必要です。自社が表示されても、実際には提供していない機能を持つ会社として紹介されたり、現在は終了した料金プランが掲載されたりすることがあります。担当者から見ると、どれも小さな違いに見えるかもしれません。しかし、顧客はAIの回答を比較表や営業担当者の代わりに使うことがあります。最初の印象で候補から外れると、その後に公式サイトを見てもらえませんよね。
AI検索とは、質問に対して、ウェブ上の情報を組み合わせた文章で答える検索サービスのことです。 従来の検索のようにページを一覧表示するだけでなく、回答の中で企業名やサービス名を紹介します。
Googleで見つかっても、AIに選ばれるとは限らない
AI検索には、従来の検索順位とは別の見られ方があります。 Google検索では「何位に表示されたか」が重要でした。一方、AI検索では、回答のどこで言及されたか、どのページが根拠として使われたか、競合とどのように並べられたかが重要です。
根拠URLとは、AIが回答を作るときに参照したウェブページのアドレスです。 企業のトップページとは限らず、料金ページ、導入事例、比較記事、サポートページなどが使われます。
AI検索の回答は、質問の言い方、地域、検索履歴、ログイン状態、実行した時刻などで変わります。同じ質問を5回実行したところ、ある企業が2回だけ表示され、3回は表示されなかったという調査例もあります。SEGOの調査例 があります。また、SEGOが340以上のサイトを診断した結果では、Google検索の上位10サイトの約6割が、AI検索では一度も引用されなかったと報告されています。調査結果
つまり、「Googleで上位だから大丈夫」とは言い切れません。AI検索では、ページの内容が質問への答えとして整理されているか、運営者や料金が明確か、他の信頼できる情報と矛盾していないかも見られます。自社サイトが存在するだけでは、顧客の質問に答える材料として使われにくい場合があるのです。
AIサービスごとに、競合の見え方が変わる
1つのAIだけを見て、自社の評価を判断するのは危険です。 Google AI OverviewsとAI Mode、ChatGPT Search、Perplexity AI、Microsoft Copilot、Anthropic Claudeでは、情報の集め方や回答の見せ方が異なります。
Google AI OverviewsやAI Modeでは、検索結果の上部にAIによる概要が表示され、参照ページへのリンクが示されることがあります。ただし、すべての質問で表示されるわけではありません。「〇〇とは」「〇〇の方法」のような情報収集型の質問から確認すると、違いを見つけやすくなります。
Perplexity AIは、回答下部の「Sources」に参照先を表示するため、どのページが引用されたかを確認しやすいサービスです。一方、ChatGPT Searchは、回答内に企業名が登場していても、参照URLが常に同じ形で表示されるとは限りません。Microsoft CopilotやAnthropic Claudeでも、同じ質問に対して別の競合や別の説明が出る可能性があります。
この違いは、店員に同じ商品を尋ねても、店ごとにおすすめの理由や比較対象が変わる状況に似ています。だからこそ、ChatGPTだけでなく、PerplexityやGoogleのAI表示も確認し、「どこで自社が弱く見えるのか」を切り分ける必要があります。
比べるべきなのは、表示の有無だけではない
競合比較では、少なくとも5つの項目を確認します。 ①自社が言及されたか、②説明は正しいか、③どの料金や特徴が紹介されたか、④どの競合と並んだか、⑤どの根拠URLが引用されたか、の5つです。
たとえば「中小企業向けの会計ソフトを3つ比較して」という質問に、自社と競合A、競合Bが登場したとします。このとき、自社が2番目に出たことだけで一喜一憂する必要はありません。自社だけ料金ページが引用されず、競合Aは導入事例と公式料金ページの両方が引用されているなら、顧客が判断できる材料に差があります。
また、「おすすめ」「料金」「デメリット」「向いている人」「代替候補」は、顧客の判断に直結する質問です。自社名が出るかだけでなく、「高い」「大企業向け」「サポートが弱い」といった表現が正しいかを確認しましょう。ここでは、次の3つを共通の評価軸にすると整理しやすくなります。
信頼性は、情報の出どころが確かで、内容に裏付けがあることです。
専門性は、その分野にくわしい企業・担当者であると伝わることです。
情報の明確さは、料金、対象者、機能、条件などが読み手にわかりやすく整理されていることです。
「見えない不利」を記録すれば、改善につながる
AI検索の確認は、感想ではなく記録に変えることが大切です。 「今日は出てきた」「競合のほうが目立った」だけでは、改善すべきページがわかりません。質問文、AIサービス名、実施日、自社の言及、競合名、引用URL、紹介内容をスプレッドシートに残しましょう。回答画面のスクリーンショットも、質問文と日付を添えて保存します。
調査する質問は、「自社名について教えてください」という指名型だけでは足りません。「業界で評判の良いサービスを5社」「地域でおすすめの会社」「この課題を解決する代替サービス」のように、顧客が実際に使いそうな言葉で作ります。表示されない、説明が古い、競合との比較条件がずれている。こうした差を複数のAIで確認して初めて、自社が不利に見える理由が見えてきます。
引用ギャップ分析とは、自社と競合で、AI回答に引用された回数や割合の差を比べる方法です。 検索順位の差を見る従来の分析に対し、AI検索での露出の差を確認します。
この記事ではこの後、競合を見つける質問の作り方、AIごとの表示内容の点検方法、引用URLと料金情報の確認、改善後の再調査までを順番に説明します。大切なのは、AI検索を一度だけ試して結論を出さないことです。複数のサービスで同じ条件を比べ、信頼性・専門性・情報の明確さを少しずつ整えていきましょう。
まず知っておきたい、AI検索における競合比較の基本

まず知っておきたい、AI検索における競合比較の基本 - 本文
原因はここにあります。AI検索は、検索結果を順位順に並べるだけではなく、質問に合わせて複数の情報源から回答を組み立てるからです。つまり、自社が検索結果の上位にいるかよりも、「どの企業と一緒に紹介されたか」「どのページが根拠として引用されたか」を見る必要があります。
AI検索とは、質問に対する回答を、Web上の情報を参照しながら文章で提示する検索サービスのことです。 ChatGPT、Perplexity、Google AI Overviewsなどが代表例です。
従来の検索を「順位表」とするなら、AI検索は「質問に応じて資料を選ぶ司書」に近い仕組みです。同じ質問でも、AIの種類、質問した日時、地域、検索履歴などによって、選ばれる資料や回答内容が変わります。そのため、自社が想定する競合と、AI検索が実際に比較する企業は一致しないことがあります。
競合は三つの種類に分けて考えます
まず押さえたいのは、AI検索における「競合」は一種類ではないことです。次の三つに分けると、調査結果を整理しやすくなります。
-
自社と並べて言及される競合
「おすすめのサービスを教えてください」「料金を比較してください」と質問したとき、回答文の中で自社と同じ候補として紹介される企業です。営業現場で考える直接競合と、比較的近い存在です。 -
AI回答の引用元として扱われる競合
AIが回答を作る際に参照したWebページやドメインの運営企業です。競合企業の料金ページ、比較記事、導入事例などが引用されることがあります。自社の名前が回答に登場しなくても、競合のページが根拠として使われていれば、情報面で差をつけられている可能性があります。 -
ユーザーが比較対象だと想定している競合
営業資料、顧客への聞き取り、業界団体の分類などから見える競合です。実際の商談では比較されていても、AI回答には登場しない場合があります。反対に、自社では競合と思っていない企業が、AIには同じ用途のサービスとして扱われることもあります。
この三つを混ぜると、「競合が増えた」「自社が負けている」と早合点しやすくなります。企業名だけでなく、引用元ドメイン、引用ページ、比較された文脈まで分けて記録することが大切です。
自社名と競合名を起点に、AIの比較相手を確認します
調査は、いきなり大量の質問を作るより、指名検索と比較検索から始めると効率的です。まず「自社名+主要競合名」「自社名+vs」「自社名と競合名の違い」のような質問を、ChatGPT、Perplexity、Google AI Overviewsで確認します。
次に、企業名を入れない質問を試します。たとえば「業界名で評判の良い会社を5社」「料金が安いサービス」「初心者に向いているサービス」「〇〇の代替候補」「導入時のデメリット」といった形です。ここで繰り返し登場する企業が、AI検索上の実質的な比較相手です。
質問は一度だけで判断しないようにしましょう。同じ質問でも回答が変わるためです。SEGOの調査では、同じ質問を5回実行したところ、対象企業が2回だけ表示された事例が紹介されています。また、340以上のサイトを診断した結果、Google検索の上位10サイトの約6割がAI検索で一度も引用されていなかったとされています。詳しくはSEGOの調査で確認できます。
実務では、同じ質問を最低3回、できれば5回実行し、毎回の回答を保存します。記録する項目は、AIサービス名、質問文、実施日、自社の言及有無、競合名、掲載順、引用URL、引用ページ、説明内容の正確性です。Perplexityでは「Sources」に表示されたURLを確認し、Google AI Overviewsでは引用リンクを開いてページ単位で確認します。ChatGPTは出典URLが常に表示されるとは限らないため、ブランド名やドメインの登場も記録します。
Wikipediaのような権威サイトは、競合企業と分けて見ます
ここで注意したいのが、Wikipediaや業界団体、ニュースメディアなどの大規模サイトです。これらは検索結果に頻繁に現れても、直接の競合とは限りません。
たとえるなら、競合企業が「同じ商品を売る店」だとすれば、Wikipediaは「地域や商品の基本情報を載せた図書館」です。AIは、企業の比較には競合サイトを使い、業界の定義や用語の説明にはWikipediaを使う、といった具合に情報源を使い分けます。権威サイトを競合として数えると、対策の方向を誤るおそれがあります。
そこで、分析表では「競合企業」と「権威サイト・情報サイト」の欄を分けます。権威サイトからは、業界の定義、一般的な評価軸、頻出する用語を読み取ります。競合企業からは、料金、機能、導入事例、強み、弱みなど、比較時に使われた具体的な情報を読み取ります。
競合比較は、トピック・ページ・引用元サイトで行います
AI検索の分析単位は、企業名だけでは不十分です。まず「料金比較」「初心者向け」「地域別のおすすめ」などのトピックを分けます。次に、競合のどのページが使われたかを確認します。最後に、どの引用元サイトから情報が集まったかを見ます。
Citation Share(引用シェア)とは、対象となるAI回答で、自社や競合の情報が引用された割合です。
AI上のシェア・オブ・ボイス(SoV)とは、AI回答の中で自社がどれだけ言及・紹介されたかを、競合と比べて測る考え方です。
たとえば、20個の質問を調べて、自社が4回、競合Aが10回、競合Bが6回引用されたとします。この数字だけでも、どの競合に引用面で差をつけられているかが見えてきます。ただし、指標の定義はツールによって異なるため、同じ質問、同じAI、同じ期間で比較することが重要です。
AhrefsのブランドレーダーにあるAIサジェストや引用元ドメインレポートなども、こうした確認を補助する手段です。詳しい調査手順は生成AI検索の競合引用分析にも整理されています。
最初の目的は、競合に勝つことではありません。AI検索が自社を誰と比べ、どのページを根拠にし、どんな文脈で紹介しているかを事実で把握することです。その地図ができて初めて、料金ページを直すのか、比較記事を整えるのか、業界の基礎情報を補うのかという、次の改善策を選べるようになります。
なぜAI検索では、表示や引用のされ方に差がつくのか

なぜAI検索では、表示や引用のされ方に差がつくのか - 本文
主な選び方は3つあります。①AIが読み取りやすい情報源を整える、②自社情報を共通の型にそろえる、③複数のAI検索で点検と改善を繰り返す、の3つです。まず押さえたいのは、AI検索は1ページをそのまま表示する仕組みではないという点ですよね。
生成AIは、Webページ、企業情報、レビュー、比較記事など複数の情報源を検索し、それらを組み合わせて回答を作ります。そのため、Googleで上位のページが必ずChatGPTやPerplexityに引用されるとは限りません。実際、同じ質問でも実行するたびに回答が変わることがあります。AI検索で自社は表示されている?
AI検索とは、検索結果の一覧だけでなく、複数の情報源をもとに要約した回答を返す検索サービスのことです。
1. 情報源の品質とアクセス性を整える
最初の選択肢は、公式情報を見つけやすく、読み取りやすくすることです。 AIが参照するページに、料金、提供内容、対象者、利用条件、更新日が明確に書かれているかを確認します。
たとえば料金表が画像だけ、重要な条件がPDFの奥にある、サービス名がページごとに違う、といった状態では、AIが必要な情報を正しく組み合わせにくくなります。見出し、表、箇条書きを使い、1ページにつき1テーマに整理すると、利用者にもAIにも伝わりやすくなります。
いいところ
- 自社で着手しやすく、追加費用を抑えやすい
- 古い料金や対象者の誤説明を減らせる
- 営業資料や問い合わせ対応にも情報を活用できる
気をつけるところ
- ページを整えても、AI検索での引用は保証されない
- 外部サイトの古い情報や誤った紹介までは、自社だけで直せない
- 社内資料を公開する場合は、個人情報や機密情報の漏えいに注意が必要
クロール(AIや検索エンジンがページを読み取ること)、インデックス(読み取った情報を検索用に登録すること)、配信、AI回答での引用は、それぞれ別の段階です。どれかを改善しても、次の段階で必ず表示されるとは限りません。成果は「引用されたか」だけでなく、正しい情報が参照される機会を高めたかで見ます。
2. 断片化した情報を共通スキーマでそろえる
情報が複数ページや社内外の資料に分かれている会社は、先にデータの型をそろえる方法が有効です。 料金は料金ページ、対象者は営業資料、解約条件は利用規約、と分散していると、古い情報、重複、表記ゆれ、条件の抜けが起こります。その結果、「月額」と「初期費用」が混同されるなど、比較時に誤解を招く可能性があります。
共通スキーマとは、情報を同じ項目とルールで整理する設計図のことです。たとえば「サービス名」「料金」「料金の条件」「対象者」「提供地域」「更新日」「公式URL」を共通項目にします。
構造化データとは、項目と値が決まった表やデータベースの情報です。半構造化データは、項目の一部が決まったJSONやタグ付き文書などです。非構造化データは、メール、議事録、文章、画像内の文字など、形式が一定でない情報を指します。
まずはサービスごとに、次の項目を1枚の台帳へまとめます。
- 正式なブランド名とサービス名
- 料金、税込・税別、契約期間、追加費用
- 解決できる課題と向いている人
- 対応地域、提供開始日、最終更新日
- 公式ページ、利用規約、問い合わせ先
- 競合と比べた違い。ただし、根拠のある事実に限る
いいところ
- ページ間の食い違いを発見しやすい
- AIが比較に必要な条件を拾いやすくなる
- RAGや社内検索にも同じ情報を使える
気をつけるところ
- 台帳の更新担当者と更新期限を決めないと、別の古い資料が残る
- 非構造化データを無理に自動変換すると、条件や例外が抜ける
- 社内向け情報をAI検索の対象にする場合は、閲覧権限を必ず分ける
RAG(検索拡張生成)とは、質問を受けたときに関連文書を先に検索し、その根拠を使って生成AIが回答する仕組みです。根拠の明示と、質問の解決につながる情報の提示が重要です。
RAGの検索基盤には、ElasticsearchやAzure AI Searchなどがあります。ここで大切なのは、文書を大量に登録することではありません。質問に合う根拠を検索し、回答のどの部分がどの文書に基づくのか確認できる状態にすることです。
3. 複数のAIで比較し、継続的に改善する
最後の選択肢は、実際の質問を複数のAIへ投げ、表示内容と引用元を定期的に比べる方法です。 ChatGPT、Perplexity、Google AI Overviewsを最低限の確認対象にし、必要に応じてMicrosoft CopilotやAnthropic Claudeも加えます。AIごとに参照する情報や回答の見せ方が異なるため、1つだけで判断しないことが大切です。
質問は「おすすめ」「料金」「デメリット」「向いている人」「代替候補」に分けます。たとえば「この業界で評判のよいサービスを3つ比較して」「この地域で依頼するならどこがおすすめですか」といった自然文です。
記録する項目は、質問文、AI名、実施日、自社の言及有無、説明の正確性、競合名、引用URL、引用ページ、回答内の位置です。Perplexityは「Sources」と回答を照合しやすく、Google AI Overviewsは概要の表示有無と引用元を確認します。ChatGPTは出典URLが常に表示されるとは限らないため、ブランド名やドメインの言及も記録します。生成AI検索の競合引用分析
いいところ
- どの競合と並び、どのページが引用されたか見える
- 自社説明の誤りや、足りない条件を発見できる
- 無料で始められ、改善前後を比較できる
気をつけるところ
- 同じ質問を1回見ただけでは傾向を判断できない
- 質問文、地域、端末、ログイン状態、実施日をなるべくそろえる必要がある
- 質問数が増えると、手作業の記録や集計に時間がかかる
同じ質問は最低3回、できれば5回ほど確認し、月1回以上の定期点検にします。自社と競合の引用回数や割合を比べる「引用ギャップ分析」や、AI回答内の露出割合を示すShare of Voice(SoV)も役立ちます。ただし、ツールごとに指標の定義は違うため、測定条件をそろえて比較してください。AI検索で自社が引用されているか調べる方法
結論として、AI検索対策の目的は、AI回答への引用を保証することではありません。比較の場面で一次情報が参照される機会を高め、事実誤認を減らすことが目的です。情報源を整え、共通スキーマで管理し、複数AIで点検する。この3つを小さく始めて、記録と改善を繰り返すのが現実的な進め方ですよね。
自社と競合の表示を比較する実務フロー

自社と競合の表示を比較する実務フロー - 本文
ゴールは、自社がAI検索に出たかどうかだけでなく、「何を聞いたときに、どのページが、どの競合と一緒に、どう説明されたか」を記録して改善につなげることです。流れは、比較対象と質問を決める、複数のAIで確認する、根拠URLと説明内容を点検する、結果を保存して再確認する、の4段階です。
Citations(引用)とは、AIの回答が根拠として示すWebページやリンクのことです。
引用クエリとは、AIが情報を探すために使った質問や検索語です。 画面に表示されない場合もあるため、利用者が入力した質問をまず記録します。
1. 自社と競合を比較対象にする
最初に、自社と主要競合を3〜5社ほど並べます。競合は、知名度だけでなく「顧客が実際に代わりに選ぶ会社」で考えるのがコツです。地域、価格帯、サービス内容が近い会社も入れましょう。
スプレッドシートに、会社名、公式サイト、主なサービス、価格帯、選んだ理由を記入します。AIが想定外の競合を紹介しても、後で「なぜ並んだのか」を比較できます。
2. 検索意図別に質問する
次に、商品名だけでなく、顧客が自然に聞きそうな質問を用意します。まずは次の5パターンを各3〜5問作りましょう。
- 「業界名+おすすめ」:業界名で評判の良い会社を3社教えてください
- 「業界名+料金」:業界名のサービス料金を比較してください
- 「業界名+デメリット」:選ぶときの注意点やデメリットは何ですか
- 「業界名+向き」:どんな人、会社に向いていますか
- 「業界名+代替候補」:このサービスの代わりになる候補はありますか
地域型なら「地域名+業界名+おすすめ」、課題型なら「業務の悩み+解決方法」とします。自社を直接指定する「自社名について教えてください」も加え、認知と説明の正確さを確認します。
3. 比較意図の質問を追加する
自社と競合が並んだときの説明を見るため、「自社名+vs+競合名」と入力します。「自社と競合Aの違い」「料金、強み、制約条件を比較して」「どちらが小規模事業者に向いていますか」といった聞き方も有効です。
比較相手を変えながら、回答の順番、推薦理由、弱点の扱われ方を確認します。自社が出ても、競合より後ろに置かれている、または条件付きでしか勧められていない場合があります。
4. 根拠URLの公式性を確認する
回答を読んだら、まず根拠URLを開きます。料金ページ、サービス詳細、導入条件、対応地域など、自社が管理する一次情報が引用されているかを確認しましょう。
Perplexity AIは回答下部の「Sources」でURLを確認しやすいサービスです。Google AI Overviews/AI Modeでは「もっと表示」などから引用元を確認します。ChatGPT Search、Microsoft Copilot、Anthropic Claudeも、回答中のリンクや参照元を確認します。ただし、表示方法やリンクの有無はサービスや質問によって変わります。
一次情報とは、企業自身が公開する公式ページや料金表など、情報の出どころに近い資料です。 第三者の記事だけに頼るより、条件変更や誤解を訂正しやすくなります。
5. 説明内容の正しさを点検する
次に、紹介文を公式情報と照合します。特に、料金、税込・税別、初期費用、契約期間、対応地域、機能の範囲、解約条件、向いていないケースを確認してください。
古いキャンペーン価格が残っていないかも重要です。公式ページに料金や制約条件が明確に書かれていないと、AIが比較サイトや古いページを根拠にすることがあります。誤りが見つかったら、まず公式ページを更新し、ページ内に対象者や適用条件、更新日を明記します。
6. 比較表に結果を記録する
記録は、表示の有無だけで終わらせないことが大切です。次の項目を1行1回答で保存します。
| 項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 検索クエリ | 入力した質問、引用クエリ(確認できる場合) |
| AIサービス名 | Google AI Overviews/AI Mode、ChatGPT Searchなど |
| 表示文 | 自社・競合がどう説明されたか |
| 根拠URL | 引用ページと公式ページかどうか |
| 料金 | 金額、条件、情報の新しさ |
| 紹介された競合名 | 自社と並んだ会社、掲載順 |
| 条件・制約 | 地域、対象者、弱点、注意点 |
| 誤りの有無 | 誤り、抜け、古い情報の内容 |
回答全体のスクリーンショットも、検索日とクエリ名を付けて保存します。「自社URLが引用されたか」「どの文章の根拠になったか」「競合URLは何番目か」まで残すと、改善前後を比べやすくなります。
7. 複数のAIで同じ条件を調べる
1つのAIだけで結論を出さず、同じ質問をGoogle AI Overviews/AI Mode、ChatGPT Search、Perplexity AI、Microsoft Copilot、Anthropic Claudeで確認します。AIごとに参照する情報源と回答の組み立て方が異なるためです。
Microsoft Copilotの確認材料として、利用できる場合はBing Webmaster Toolsの「AI Performance」レポートも見ます。
Cited Pagesとは、AI回答で引用されたページです。Grounding Queriesとは、AIが回答の根拠を探すために使った検索クエリです。 Bing Webmaster Toolsで表示される場合は、Citations(引用)、Cited Pages、Grounding Queriesを自社の記録と照らし合わせます。
8. 日付を付けて再確認する
AI回答は、同じ質問でも実行時期や地域、ログイン状態などで変わります。1回表示されなかっただけで「掲載されていない」と判断しないでください。同じ質問を最低3回、できれば5回実行し、表示される傾向を見ます。調査条件もそろえましょう。
結果は検索日、地域、端末、ログイン状態とともに保存し、料金やサービスページを更新した後に再確認します。小規模な運用なら月1回、重要な料金変更がある場合は変更直後にも点検します。
結果を数字で見る方法
優先順位を決めるには、引用ギャップを集計します。たとえば「自社が引用された回数」「競合Aが引用された回数」「自社の誤り件数」をクエリ別、AI別に数えます。
Share of Voice(SoV)とは、対象質問の回答で自社が得た露出割合です。 たとえば、自社の言及回数を自社と競合の言及回数の合計で割ると、簡易的な比較ができます。
「料金」で競合だけが引用されるなら料金ページを整備し、「おすすめ」で自社は出るが特徴が違うならサービス紹介文を見直します。重要なのは、引用率の数字を単独で競うことではありません。公式ページが根拠になり、料金や制約まで正しく伝わっているかを優先してください。詳しい記録項目や競合引用分析の例は、生成AI検索の競合引用分析も参考になります。
数値と事例で見る、比較結果の読み解き方

数値と事例で見る、比較結果の読み解き方 - 本文
こんな成果が見えています。 AI検索の比較を続けると、自社の引用回数だけでなく、「どの質問で」「どのページが」「競合とどれくらい差をつけて」使われたかまで把握できます。すると、料金ページを直すのか、導入事例を増やすのか、改善の優先順位を決めやすくなります。
なお、AI活用全般の成果としては、popbitsがバックオフィスのAI化で対応工数を半減した事例や、AI・RPA・BIを連携してKPI集計の工数を最大9割削減した事例が紹介されています。GMOインターネットグループでは約107万時間、伊藤忠商事では約227万時間、パナソニック コネクトでは約18.6万時間の業務時間削減が報告されています。ただし、これらは業務効率化の成果です。AI検索で自社が引用されるようになった実績とは、分けて扱いましょう。
利用者が多いことと、引用されることは別です
まず押さえたいのは、AI検索の市場規模と自社の表示状況は別の指標だということです。Googleは2024年に日本でAI Overviewsの展開を進めました。2025年5月時点では、100地域を超え、月間10億人を超える規模とする数値が紹介されています。GoogleのAI Overviewsに関する発表からも、大きな利用基盤が広がっていることがわかります。
しかし、利用者が多いからといって、自社が回答に登場するとは限りません。Google検索で上位のサイトでも、AI検索では引用されない場合があります。SEGOの340以上のサイト調査では、Google検索の上位10サイトの約6割がAI検索で一度も引用されなかったとされています。調査の詳細を踏まえ、規模ではなく自社の引用データを確認することが大切です。
AIごとに「根拠」の見え方を確認します
AI検索とは、検索結果の一覧だけでなく、複数の情報をもとに回答文を生成する検索サービスのことです。サービスによって参照先や表示方法が違うため、1つのAIだけで判断しないようにします。
- ChatGPT Search:回答に参照元リンクが付く場合があります。自社名、競合名、参照ドメインの有無を確認します。リンクが常に表示されるとは限らないため、ブランド名の登場も記録します。
- Perplexity AI:回答下部の「Sources」に出典番号とURLが表示されます。どのページが、どの説明の根拠になったかを追いやすいサービスです。
- Google AI Overviews:AI概要が表示されたか、「もっと表示」の後に自社ドメインが出るか、引用ページは何かを確認します。
- Microsoft Copilot:回答の根拠だけでなく、内部でどのような検索を行ったかも分析対象になります。
Bingの3指標で、引用の中身を分解します
MicrosoftのBing Webmaster Toolsには、AI回答での表示を確認する「AIパフォーマンスレポート」があります。数字は、単なる掲載有無ではなく、引用の広がりを見るために使います。
Citationsとは、AI回答の根拠として自社ページなどが登場した回数です。
Cited Pagesとは、引用されたURLの種類数です。同じページばかり引用されているのか、料金・事例・機能ページまで広がっているのかがわかります。
Grounding Queriesとは、Copilotが回答を作るために内部で生成する検索文です。利用者の質問と違う、補助的な検索テーマを確認できます。
ここで見るべきなのが、Citation Shareです。Citation Shareとは、対象クエリにおける引用全体のうち、自社が占める割合です。たとえば、自社のCitationsが20回でも、競合を含む全引用が200回ならCitation Shareは10%です。回数だけでなく、競合との相対的な位置を判断できます。
比較表を作ると、改善箇所が見えてきます
調査は、まず質問を4種類に分けると進めやすいです。①業界の基礎知識、②商品・サービス比較、③課題解決、④指名検索です。余力があれば各25問、合計100問にします。小さく始めるなら各5問でも十分です。
同じ質問を各AIで最低3回、できれば5回実行します。AI回答は、実行時刻、地域、ログイン状態、会話履歴などで変わるためです。質問文、AI名、実施日、自社の言及、競合名、掲載順、引用URL、引用ページ、説明の正確さ、スクリーンショットを表に記録します。
分析では、次の3つを順番に見ます。
- トピック別:料金では強いが、「デメリット」や「向いている人」で弱くないか。
- ページ別:トップページだけでなく、料金表、導入事例、比較ページが引用されているか。
- 引用元サイト別:自社公式サイト、第三者メディア、競合サイトのどこが根拠になっているか。
自社が出ない質問で競合だけが出る場合は、これを「引用ギャップ」として整理します。公式ページに料金、対象者、制約、導入条件が明確に書かれていないなら、まず事実情報を整えます。その後、月1回など同じ条件で再確認します。[競合引用分析の手順](https://www.koukoku.jp/service/suketto/marketer/seo/%E7%94%9F%E6%88%90ai%E6%A4%9C%E7%B4%A2%E3%81%AE%E7%AB%B6%E5%90%88%E5%BC%95%E7%94%A8%E5%88%86%E6%9E%90%EF%BD%9C%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E6%89%8B%E9%A0%86%E3%83%BB%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%AB%E6%AF%94%E8%BC%83/】でも、クエリや引用元を継続的に記録する方法が示されています。
最後に、結果をSWOTで整理すると社内に説明しやすくなります。強みは引用されるページ、弱みは説明不足のテーマ、機会は競合が少ない質問、脅威は競合の引用シェアです。AI検索の可視性と業務効率化を別々に測りながら、まずは20問程度の手作業から始める。それが、無理なく続く比較分析のコツですよね。
明日から始める、AI検索の競合比較と改善のチェックリスト

明日から始める、AI検索の競合比較と改善のチェックリスト - 本文
今日のポイントは3つです。
- 最初は主要な商品・サービスと、比較されやすい質問に絞る
- 自社が出たかだけでなく、根拠URL・料金・紹介文・競合名まで記録する
- 公式情報を整え、同じ条件で再確認する
AI検索の競合比較は、大規模なシステム導入から始めなくて大丈夫です。まずは「自社がAIにどう説明されているか」を事実として記録しましょう。店頭で自社の商品が、隣の商品とどのように紹介されているかを確認するイメージです。
まずは「1商品×数個の質問」に絞る
結論として、最初は主要な商品・サービスを1〜2個選び、検索クエリを数個作るのがおすすめです。検索クエリとは、AI検索に入力する質問文のことです。
「自社名」と「主要競合名」の違いを教えてください
この業界でおすすめのサービスを3つ比較してください
このサービスの料金、追加費用、制約条件を教えてください
どんな人に向いていますか。デメリットも教えてください
代替候補には何がありますか
初回点検は6つの順番で進める
5つのAI検索、つまりGoogle AI Overviews/AI Mode、ChatGPT Search、Perplexity AI、Microsoft Copilot、Anthropic Claudeで、同じクエリを確認します。AIごとに参照する情報や回答の出し方が異なるため、1つだけで判断しないことが大切です。
- 自社名と主要競合名を比べる。自社が登場するか、競合と並ぶかを確認します。
- 「おすすめ」「料金」「デメリット」「向いている人」「代替候補」を調べる。質問の種類ごとに見え方を比べます。
- 根拠URLが公式か確認する。根拠URLとは、AIが回答の材料として示したページのリンクです。Perplexity AIでは「Sources」、Google AI Overviews/AI Modeでは引用元を確認しやすい一方、ChatGPT Searchでは出典が常に同じ形で表示されるとは限りません。
- 料金・特徴・制約条件の正確さを見る。税込・税別、最低契約期間、対応地域なども点検します。
- 競合と並んだときの紹介文を見る。自社だけ説明が短い、強みが違って伝わる、といった差を確認します。
- 引用ページと引用元サイトを分けて記録する。どのページが使われたかに加え、どのドメインの情報が多いかも見ます。
同じ質問でも回答は変わります。まずは各クエリを3回、できれば5回ほど実行し、1回の結果ではなく表示される傾向で判断しましょう。SEGOの確認方法でも、複数回の確認が勧められています。
結果は日付付きで残す
記録はスプレッドシートで十分です。スクリーンショットも、クエリ名と実施日が分かる名前で保存します。次のような項目があると、改善前後を比べやすくなります。
実施日 | AI | クエリ | 自社言及 | 競合名 | 根拠URL | 引用ページ | 正確さ | 紹介文
「自社言及」は、表示されたかだけでなく、「正確」「一部誤り」「誤り」の3段階で評価すると実務に使いやすいですよね。引用回数を競うより、「どの質問で、どの競合と、どのページが使われたか」を見ることが重要です。
誤りは公式情報の整備につなげる
料金や特徴に誤りがあったら、まず公式ページを整えます。一次情報とは、企業が自ら公開する公式ページ、料金表、利用規約などの情報です。
運用の注意点:AI回答への引用は保証できません。一次情報が参照される機会を高め、比較時の事実誤認を減らすことを目標にします。
具体的には、料金、機能、対象者、対応地域、契約条件、できないことをページごとに明確にします。商品名や会社名の表記ゆれを減らし、古い料金表や終了サービスの記載も整理しましょう。Bing Webmaster Toolsとは、Bingで自社サイトの登録状況などを確認するための公式サービスです。ChatGPT Searchなどの確認と合わせて、情報の入口を点検できます。
RAGとは、AIが外部の情報を検索してから回答を作る仕組みです。レリバンスエンジニアリングとは、AIの質問意図に合う情報を見つけてもらいやすく、整理しておく考え方です。どちらも「AIに無理に引用させる」方法ではありません。読者に必要な事実を、公式ページで分かりやすく示すことが基本です。
明日から始める3ステップ
- 比較クエリを数個決める。自社名、料金、おすすめ、デメリット、代替候補から選びます。
- 5つのAI検索で確認する。質問文、地域、端末、ログイン状態などをできる範囲で揃えます。
- 結果を日付付きで保存する。月1回、同じクエリで再確認し、改善前後を比べます。
最初から完璧な分析表を作る必要はありません。まず一つのサービスについて、競合とどう比較されているかを見てみましょう。公式情報を一つ直すだけでも、AIと顧客の双方に伝わる説明が整います。小さな記録を続けることが、次の改善への一歩になりますよ。
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著者について
鈴木信弘(SNAMO)
鈴木信弘(SNAMO)- 静岡県焼津市を拠点に活動する総経験19年のフルスタックエンジニア。AI時代の次世代検索最適化技術「レリバンスエンジニアリング」の先駆的実装者として、GEO(Generative Engine Optimization)最適化システムを開発。2024年12月からSNAMO Portfolioの開発を開始し、特に2025年6月〜9月にGEO技術を集中実装。12,000文字級AI記事自動生成システム、ベクトル検索、Fragment ID最適化を実現。製造業での7年間の社内SE経験を通じて、業務効率75%改善、検品作業完全デジタル化など、現場の課題を最新技術で解決する実装力を発揮。富山大学工学部卒、基本情報技術者保有。
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